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読者である私も疑っちゃった!/フェイクインフルエンサー [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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★あらすじ

女子大生ガールズバンドでメインボーカルを担当する叶多は、SNSへの積極的な投稿で着実にファンを増やしていた。 ある日、ネットニュースに叶多の過去についての暴露記事が流される。裏アカで公開した写真が元ネタだと知った叶多は、犯人がバンドメンバー内にいると確信、犯人捜しを始めようとするが、立て続けにメンバーが殺されてしまう。 SNSの光と闇が、連続殺人事件の恐るべき真相とともにあぶりだされていく……。

潔癖すぎる現代

二面性や二律背反を認められない現代人へのアンチテーゼです。 許容できないが故に壊れていく自己は私にも当てはまります。 人の感情は意外とグラデーションでめんどくさいもの。 それなのに善と悪の二極で分けようとし、善ではない怒りや憎しみを持っている自分を許せない。 そんな主人公は私です。 だから他人事だとは思えませんでした。 そして他人も善ではないからこそ人に期待する。 できない人は過剰に叩く。 そんな人、「一貫性を持った人間」は人間である限りはいないのに・・・。 そういうジグザグに動くからこそ面白い、と言えるのかもしれませんが。

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僕は確かに「檸檬先生」を見ていたのに知らなかった―檸檬先生/珠川こおり [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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「檸檬先生」という共感覚という感覚をもった少女と救われた少年の話の本です。


■共感覚とは


文字や数字に色が見えたり音を聴くと色が見える感覚。
小説を読んでいると人によって微妙にみえる色がちがうようです。

語りてである少年はどちらもあるようです。

私はどちらもないのでわからないけれど強制的に見えちゃうことは苦しいだろうなと思います。



マイノリティの人間関係


少年は先生によって救われました。

檸檬先生が何気なくかけてくれた言葉や行動で「独りじゃない」と思えた少年。
そして「拒絶」できる強さを持った少年。

そのおかげでしょう。

でも少女はどちらでもなかった。
いくつものフィルターを壊すこともできなかった。
「オレはここにいる!!!」「オレは怒っている!!!」と言えなかった。

少年の言葉を信じられないほど追い詰められた「俺」。
そんな檸檬先生がただただ哀しかった。

ニンゲン関係って救われることもあるし救えることもある。
けれど必ずしも相互関係になるとは限らない・・・。




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アイドルはオオカミ少女になっていくー。/ #柚莉愛とかくれんぼ [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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なんだか今っぽく明るいカラーをつかった表紙に惹かれました。
#(ハッシュタグ)をタイトルに使うあたり、SNS全盛期っぽくないですか!?


衝撃


と思って読んだ。
あとは「!!!?????わけがわからないよ!!!???」って感じです。

誰が誰で何が何なんだろ。って書いている今も思います。

私がいかに偏見や抽象的なものに囚われているかわかりました。

そうだよな・・・私、女だけど指毛はえてるしな・・・。
正直、コンプレックスです・・・。

そのぐらいのわけがわからなさと衝撃がありました。

そして、この本は期待「過剰」と裏切りがテーマだと感じました。

人は他人に期待してしまうものです。
1人ではできることに限界があるしできないこともあるからです。

ただしすぎてしまうと自滅してしまう。
自分でできること、時間はかかるけれどできるようになることが見えなくなってしまう。

意識できていると人生を修正できたり人間関係が悪くはならないようにできるかな。

アイドルとファンの距離感


人は支配できない。

この言葉にハッとさせられました。

言い換えるなら屈服させて自分の意見や思いを全肯定させる。

私は思いっきりそっち側の人間です。
人の話は聞かないくせにプライドだけは高いからそうなっちゃう。

「そういうこともあるよね」って思えないんだよなあ。

本心は家族でもわかりあえないから支配という攻撃をしようとするんでしょうね。

「人は人。自分は自分」という風に距離感を持つことは大事。
お互いが迷惑モノにならないために。


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シゲさんって女の子の気持ちをわっている説/「オルタネート」 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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図書館で予約してようやく順番がきた「オルタネート」を読めました。

この本は「オルタネート」という高校生限定のアプリを通した青春群像劇です。


加藤シゲアキさん自身も知っていたし作家業をしているのももちろん知っていました。
でもアイドル業も俳優業も忙しい人気者が書いた本なんて…って超偏見でした。

いくら感受性豊かでも俳優業と文章を書くことでは頭の使い方が違うだろうと思っていたからです。
またエッセイと小説でもちょっとだけ書き方が違うんじゃないかと考えています。

実際は小説として読めるしスイスイと最後までいっちゃいました。

特に料理のシーンには力を入れています。
監修にはいってもらったり本を読んだりはしたでしょう。

それでも本人も多少は料理してるんじゃないかな?
これまた超ド偏見だけれどサラッと凝ったつまみだしてくれそう(笑)

女の子から女性に変わっていく瞬間


私が印象に残っているのはいるるちゃんです。
彼女は「自身の未来」に向き合っている感じがしました。

「誰も悪くなかったし寂しくなかったよ」

この言葉が印象的でした。

料理店をいとなむ両親をぐちって、記念日を一緒に過ごせる人をうらやんでいた女の子ではありませんでした。
他人の心情を推測できる女性になっていてかっこよかったです。

そして凪津ちゃんはグサッと自分に刺さりました。
恋愛感情や情といったものに否定的で逆にデータやDNAといったものを信じている女の子です。

だからオルタネートにあらゆる情報を提供していました。

それだからこそデータに裏打ちされた相手を信じようとします。
感情はそれに反発しているのに。

揺らぎがとてもリアルでした。
データやIT信者ってわけじゃないけれど気持ちがわかりました。

待って、シゲさんって女の子の気持ちわかりすぎじゃね????

「私は、私を育てる」

凪津ちゃんはこの言葉が印象的です。

負の気持ちもコンプレックスだと思っている容姿も「存在するもの」として受け入れる。
逆に生かしていって美しくしていく。

その姿にとても好感が持てました。
私もそうありたいな。


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やさしい自分でいれば人生はまわっていく?/スイート・ホーム 原田マハ [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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「スイート・ホーム」というやさしい感じのタイトルに惹かれて読んでみました。


やさしい街のはなし


スイート・ホームという名にふさわしいケーキ屋さんの話です。
しかも、兵庫・宝塚が舞台。

大阪に住んでいる私にはなじみやすいものでした。

ケーキそのものが大事なものをしめている話ではありませんでした。
優しい人たちの話です。

変わりたいけれど変えたくない


印象的なのは最初の「スイート・ホーム」という話。

元宝塚ホテルのパティシエのお父さんとそのケーキに惚れたお母さんの子供の主人公。
何事も特徴のない人生に諦めかけている。

特に生活に困っていないし家族とも仲が悪いわけではない。

けれどモヤモヤする。

それが私に似ているな、と思いました。
人生に(というか恋愛)いい意味で変化が欲しいのに踏み出せないんだよなー。

でも不意にその変化がやってくる。
結果的に坂を上がっていくところに勇気をもらえました。

自分を無理やり変えなくてもいいのかな、って。


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押さえつけられた側がツクッタ世界/「彼岸花が咲く島」 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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芥川賞を受賞したとのことで「彼岸花が咲く島」を読みました。
図書館でやっと順番がきた!


沖縄をモデルにしたような島を舞台にした少女の物語です。

たしかに美しい。でもその先は?


抑圧された世界から解放されたかった人々の作ったクニ。
どこか牧歌的で確かに美しい。

でもどこか、なにかを恐れている。

抑圧される世界に戻りたくないから「今」を紡ぎ続けようとしている印象です。

人間は失敗し続ける動物です。
それを受け入れられずにいる世界は窮屈です。

未来がなければ楽しみがない。
やっぱりかたくるしくて楽しくない。

若者である主人公たちはそれを求めて「未来」に向かっているようでした。
無条件に「なんくるないさー」ができるってそれが輝いているんだな、素晴らしいなって思えました。

歴史は考え続けることが大事


ノロが教えてくれた歴史は重いものです。

確かに女性は苦しい立場に追いやられやすい。

でも女性はただ単に弱い場所にいただけで男と同じ立場にいたら?
同じような展開になっていたのではないでしょうか?

誰にもしいたげられない世界に近づきたいならやっぱり人類全員を巻き込んで考えていくべきではないでしょうか?

閉じこもるのではなくどんな考え、性も解放されてこそ。
「そんな考えもあるよね」と思える世界になって欲しいです。




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わたしたちは人を「裁けるべき」人?/SNS暴力 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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SNSでの炎上の問題。
それを通した加害者と被害者のことについて書いています。


インタビューにこたえた加害者はみんな、「軽い気持ち」で書き込んでいる。
理解してほしいと思っているくせに本人には届かないと思い込んでる。

インターネットは人がいてこそ使える便利なもの。
「みんなに意見を聞いてほしい」「賛同してほしい」って思ってるくせに本人が反論するとビビる。

かげで悪口を言っているくせにまわりまわって本人に届くことを考えていない人たちでした。
人がつかっている介在しているものはすべてつながっているのに。

他人にとどくものは理性が70%ぐらい占めているべき。
できないならノートにでも書いておくべきなんでしょうね。

「ひとりごと」ならだれにもわかられないだろうけれどその分、誰も傷つかないし否定はしません。

開成中学・高校の生徒の言葉にハッとさせられました。

「『中傷を書いたやつが悪い』で終わるのではなく、『僕も書いてしまうかもしれない』というところまで考えてほしかった」

だれでも感情的になってしまうもの。
「自分のなかの」正義に反していると感じたらなおさら。

それは人間として当たり前だ。ということを認めることが大事なんですよね。
当たり前ではあるけれどもそのことを理由に他人を傷つけていいことにはならない。

どうして私はこの出来事でこんな感情を起こしたのだろう?
どこが問題点だと感じ、怒りを感じたのだろう?

私はどこかでこの人を不当にかわいそうだと思っていないだろうか?

そういう具体的な疑問を持って投稿することが大事。

私たちは司法ではない。
人は人を「正しく」裁けのだからルールを知っている裁判官にまかせるべきなんです。

手軽に書き込めるSNSだからこそ考えてみようとおもいます。


タグ:SNS
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自分自身や他人に傷つけられる少女/「推し、燃ゆ」 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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推しに自分を投影


推しを「背骨」と表現することが印象的でした。

主人公のあかりはその表現に当てはまる生活をおくっていました。
逆に言えばそれ以外ないんですよね。

おそらく自分自身でもなにかなしえると思っていない。
他人からもそういう言葉をかけられたこともないし期待もされていない。

一緒に「何ができるか、頑張れるのか」を模索してくれる人もいない。

私を見ているようで胸が苦しくなりました。

あかり自身が自分に期待すらしていない。
だからこそ芸能界で必死に頑張っている成し遂げている推しを同一にみているようでした。

今っぽい


あかりは周りから「学校を卒業し働く」ことを期待されます。
女性であることから「結婚し出産、子育てをする」ことまでが加わります。

でもあかりはできない自分をわかっているからこそ背骨が折れていく事に堕ちていきます。

今のお父さん、お母さん(もしくは祖父母世代)はそのテンプレに乗れなかった人もいたでしょう。
それでも乗りさえすれば安泰でそのことを期待することもできました。

今の世代って仕事に限らず何にも期待すらできませんよね。
でも上の世代はできるはずだと何にも教えず模索させず期待するだけ。

尻を叩くだけなら誰でもできるよね・・・って思っちゃいました。





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マンガでわかる「西洋絵画」のモチーフ/お約束事がわかりやすい! [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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「ポーラ美術館コレクション展」に行ったときに売店に置かれていた本です。

西洋画に描かれている対象にはお約束事があります。
意味するもので発注者や描いた本人の意図がくみ取れるというものです。

私自身がキリスト教の教義や歴史そのものに関心があります。
あ、決してクリスチャンになりたいわけではないんですよ?

日本史や世界史を勉強するときのような気持ちです。

印象的なモチーフ


印象的だったのは「無原罪の御宿り」と「マグダラのマリア」です。
私自身が女性ということもあってか偶然にもどちらのテーマも女性です。

「無原罪の御宿り」はマリアの両親が天使から子どもを授かることを告知されたことによる言葉です。
受胎告知のマリア両親バージョンです。

まず言葉の語呂の良さ。
思わず口にしたくなります。

そして、青の鮮やかさ。
今の絵具のように発色がいいものではなかったでしょう。

それでもあの目を引く青が好きなんです。

「マグダラのマリア」はイエスの死と復活を見届けた女性です。
一般的に「7つの悪霊を追い出され回心した」とされています。

が、説のひとつとして娼婦だったというものがあります。
そこから回心したということは下に観られていたということです。

紀元前から性的なものは下品だとされていたのは変わらないんだな、と複雑な思い。




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お探し物は図書室まで/人生は深追いするものじゃない [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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お探し物は図書室まで / 青山美智子




あらすじ


お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?
悩める人々が立ち寄った小さな図書室。
不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。
『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。


人生には節目がある


生きていたら年度末や年度初めみたいな節目がありますよね。

大きく言うと受験、就職(仕事)、結婚、出産(子育て)、退職でしょうか?

その中でも就職と子育てと退職、そしてやりたいことと仕事の両立の4つに焦点を当てています。

誰でも行き当たりやすい悩みを小さなコミュニティハウスの図書室司書の小町さんが寄り添ってくれる。
道しるべではなく寄り添い否定しない、という内容です。

印象にのこった言葉


5章の老後の生き方に悩む正雄にかけられた言葉が印象的でした。

やるべきことがあり1日の過ごし方に悩まなかった正雄。
だから暇のつぶしかたや趣味に出会う努力をしなかったが故に困ります。

自分が「独り」になってしまったようで喪失感をおぼえます。

焦りから試行錯誤を繰り返すなか、管理人の海老川さんの言葉にハッとします。

「人と人が関わった時点で社会とつながっている」

様々な職をまわった人だからこその言葉でした。
止まらなかったからこそ様々な人と出会いかかわっていったのでしょう。

「社会貢献」なんて肩ひじ張らなくてもいい。
一貫性がなくてもいい。

人と話したり何かをしたりしていることで影響を受けたり与えたりする。
その影響自体が「社会貢献」なのかもしれません。

人生は背伸びするものじゃない


私も社会の役に立ちたいけれどそんな能力がない・・・と落ち込むことが多い人間です。

考えて色んなものを選択し続けていれば十分なんだと思えました。
例えあっちこっちに行っていてもです。

やりたいことやできることが終着点がやがて見つかればいいな、くらいのゆるさ。
そういうカジュアルさでいいのかもしれません。


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