シゲさんって女の子の気持ちをわっている説/「オルタネート」 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]
図書館で予約してようやく順番がきた「オルタネート」を読めました。
この本は「オルタネート」という高校生限定のアプリを通した青春群像劇です。
加藤シゲアキさん自身も知っていたし作家業をしているのももちろん知っていました。
でもアイドル業も俳優業も忙しい人気者が書いた本なんて…って超偏見でした。
いくら感受性豊かでも俳優業と文章を書くことでは頭の使い方が違うだろうと思っていたからです。
またエッセイと小説でもちょっとだけ書き方が違うんじゃないかと考えています。
実際は小説として読めるしスイスイと最後までいっちゃいました。
特に料理のシーンには力を入れています。
監修にはいってもらったり本を読んだりはしたでしょう。
それでも本人も多少は料理してるんじゃないかな?
これまた超ド偏見だけれどサラッと凝ったつまみだしてくれそう(笑)
女の子から女性に変わっていく瞬間
私が印象に残っているのはいるるちゃんです。
彼女は「自身の未来」に向き合っている感じがしました。
「誰も悪くなかったし寂しくなかったよ」
この言葉が印象的でした。
料理店をいとなむ両親をぐちって、記念日を一緒に過ごせる人をうらやんでいた女の子ではありませんでした。
他人の心情を推測できる女性になっていてかっこよかったです。
そして凪津ちゃんはグサッと自分に刺さりました。
恋愛感情や情といったものに否定的で逆にデータやDNAといったものを信じている女の子です。
だからオルタネートにあらゆる情報を提供していました。
それだからこそデータに裏打ちされた相手を信じようとします。
感情はそれに反発しているのに。
揺らぎがとてもリアルでした。
データやIT信者ってわけじゃないけれど気持ちがわかりました。
待って、シゲさんって女の子の気持ちわかりすぎじゃね????
「私は、私を育てる」
凪津ちゃんはこの言葉が印象的です。
負の気持ちもコンプレックスだと思っている容姿も「存在するもの」として受け入れる。
逆に生かしていって美しくしていく。
その姿にとても好感が持てました。
私もそうありたいな。
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