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甘い弾丸を撃っているのも撃ち抜かれるのも私かもしれない/砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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あらすじ


山田なぎさは、片田舎に住む「早く大人になりたい」と願う女子中学生。
ある日、彼女の通う中学に、自分のことを「人魚」と言い張る少女・海野藻屑が、東京から転校してくる。
藻屑に振り回されるなぎさだが、藻屑の秘密に触れていくにつれ親交を深めていく。
しかし、藻屑の父親である海野雅愛の虐待が悪化の一途を辿ると同時に、なぎさと藻屑に別れの時が迫っていた。

甘すぎる弾丸


藻屑の境遇と矛盾に心が痛くなりました。

人は自分自身が一番不幸だ」と思いがちです。
そしてそう思いたい。

主人公・なぎさはそういうタイプです。

でも藻屑というロリポップに当たってしまうことで砕かれます。

悲しいし辛いのに「自分は人魚だ」というウソを甘い弾丸にして打ちまくる。
お父さんに傷つけられているのに「好き」だというそれだけでピンク色に塗りたくる。
本当は逃げ出したい、助けて欲しいと叫びたいのにかばい続ける。

子どもらしい「甘い弾丸」です。
だからこそ悲しくなりました。

藻屑の「好きって絶望だよね」という言葉が上記のことを言い表しているようで・・・。

大人でさえ実弾は持ってない


大人になれば甘っちょろい弾丸を捨てて完璧なモノをもてているのか?

否です。

親や周囲の大人が子供を傷つけたり殺したりする事件は今でもあります。
この本が出版されてから10年以上たっているのに・・・。

子どもの賢さも大人の愚かさも変わっていないのかもしれません。

どちらもお互いを「1個のただの人」と思えればいいのかな?


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