滅びの前のシャングリラ/死に違いはありますか? [読んだ漫画/本/雑誌の感想]
あらすじ
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。
そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。
滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。
人間の本性
隕石が来るのが1か月後というのがキモ。
即死にしてくれず生殺しで真綿にくるまれて首を絞められるにはちょうどいいですよね。
だからこそ本当の人間性がでる。
そしていかなる法律もしょせんは戦争を含めた「平時」の産物。
超自然的で「人類」ではどうしようもないものの前では無意味だと表現されています。
だから短期間で世紀末になっていきます。
ある人は病み、ある人はただただ嘆き、ある人は精神的に成熟していき欲しかったものを手に入れていく・・・。
小惑星衝突というものはありえる話です。
いくら専門家が直近の確立は低いとは言っても宇宙の話だからわからないし。
誰でも持っている根源的で普遍的な恐怖を描いた面白い話でした。
すべての死は一緒
床の間で人に囲まれながら死ぬことと衝突で死ぬことって結局一緒なのかな、って思いました。
死は不変で平等です。
平時の今は寿命や事故などでそれぞれ時期が違うだけ。
それまでに自分はどれだけしたいことをしたか、手に入れることをできたか。
違うのはそれくらい。
人生の意味なんてなくていいから流星の一瞬の輝きのようなものを手に入れたいな、って思えました。
少なくともLocoと友樹たちは心の負の側面を埋められる輝きを手にいられたんじゃないかな?
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