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自分=子どもと思う母親も気持ち悪い/あさひは失敗しない@真下みこと [読んだ漫画/本/雑誌の感想]



■あらすじ


あさひの母親は、心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれる人だった。
不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれた。
そのおまじないはいつしか呪縛になってーー大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とは?

ずーっとしんどい


ほんタメであかりんが紹介していたので読んでみました。

マジでずーーーっとしんどい。

出てくる人出てくる人、みんな気持ち悪い。
それぐらい人間が持っている根源的な醜悪さをだしていました。

目と鼻の先にむりやり突き出されるから途中で投げ出したくなった((+_+))

私にとって都合のよい相手でいて欲しい。
痛い部分や嫌な部分を無視して撫でていて欲しい。
すべて認めて欲しい。

そういう思いを私も持っている(というか人一倍強い)私、めっちゃキツイ。

特に母親は「自分が思う理想」を主人公に押し付けている感じでした。

失敗は一緒に解決策を発見すれば帳消し!


「失敗」ってなんだろう。

って考えさせられました。

多分、一般的なレールを踏み外すことですよね。

周囲との和を乱さず、大学まで真面目に通う。
行儀のよいお嬢様として身持ちのよい会社で働き、適齢期で結婚。
そして出産。

女性だったらそうですよね。

私もどんくさい上に「行儀が悪い」ほうなので母親に激しく怒鳴られます。
(行儀とか箸の使いかた的なマナーとか教えられた覚えないんだけど教えた前提の怒鳴り方)

だからあかりちゃんのビクビク、わかります。

同姓だから境界線があいまいになるんだと思います。

でもある程度、線を引くって子供側からだとどうすればいいんだ・・・?
失敗は死ななきゃOKじゃん?って思えばいいんでしょうけど。




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食への執着心がバーサーカー / 胃が合うふたり@千早茜 新井見枝香 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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あらすじ


悩みごとはとりあえず、食べてから話そう。ふたりの友情はうまいものと共にある。
ストリップ鑑賞の厳選おやつ、銀座絶品パフェめぐり、コロナ禍に交わすご馳走便、人生を変えた日の中国茶、新居を温める具沢山スープ――胃が合う友と囲む食卓は、こんなにも豊かで甘やかだ。
人気作家とカリスマ書店員が共にした11の食事から、それぞれの見た景色や人生の味わいまでも鮮やかに描き出す、風味絶佳のWエッセイ集!

なんとも言えない関係


何かに悩んでいたり不調そうでも聞かないし入り込まない。
食以外のことはこだわらない。
自分の機嫌は自分で取る努力をして相手には求めない。

家族みたいとも友情だけ言いがたい関係。

そういうグラデーションがいいな、と思いました。

寄り添ってはいるけれどあっさりしている関係を私も作れたらいいなあ。

あと、2人の健啖家っぷりには驚きます。

会えば(もしかしたら会っていない時でも)四六時中、食べているイメージ。
それなのに食べることに嫌にならないことがすごい・・・!!

他人の評価


「優しい」は他人の評価なので、彼女にとってはその言葉の通りなので肯定も否定もできない。

が印象的でした。

他人の評価ってその人のもの。

私のものじゃないから知らんぷりしてもいいんだ、と思えました。






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いざ痩せたら他人の態度、変わり杉内www/燃える息@パリュスあや子 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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あらすじ


“依存”ד五感”、彼は私を、彼女は僕を、止められない。
現代人の約七割が、依存症!?盗り続けてしまう人、刺激臭が癖になる人、運動せずにはいられない人、鏡をよく見る人、緊張すると掻いてしまう人、スマホを手放せない人―抜けられない、やめられない。
小説現代長編新人賞受賞後第一作!人間の衝動を描いた新感覚の六篇。

わかっているのにやめられない


ジェーンブライド・バナナパフェが一番、ドキッとしました。

ダイエット目的で始めた運動せずにはいられない芙美香が主人公です。

私もMAX78kg⇒MAX44kgという大成功をしました。

方法は食事を減らして運動は通勤時に歩くくらいでほぼしていないに等しい。
だから芙美香と同じように体は貧弱というかいびつ。

うすうすそのことにも気付いているのに成功体験を得ちゃってるものだからやめられない。
まさにドーパミンドバドバです。

1度体重が増えるとそのまんま堰を切ったように増えちゃうんじゃないかって不安になるんですよね。
強迫観念に近いかも。

成功体験⇒不安って単純な不安より厄介。

私は羨ましがられるべき!!!


芙美香は「愛されるぽっちゃりキャラ」を求められるまま演じざるおえませんでした。

そうしないと「和」から外される「不安」があったんでしょうね。
私もそうだったし。

「褒められるべき」「綺麗だとうらやましがれるべき」って上から目線の自尊感情だけはクソデカなんですよね。

そんな心情を説明せず自然に表現されていて震えあがりました。
思わずキレイな体になれるかな?と思ってパーソナルジムを検索したくらい(笑)


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テスカポリトカの意志をバルミロは考えたことあるのか?/テスカポリトカ・佐藤究 [読んだ漫画/本/雑誌の感想]

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あらすじ


川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。
海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。
人間は暴力から逃れられるのか。 心臓密売人の恐怖がやってくる。

底なしの深淵


「待つことができない超富裕層」は事実いるだろうからありえそうな密売だな、と思えました。
正当な入手ルートではないからこそ「清らかな」心臓を求めるんでしょうね。

そして正当ではない組織が平然と歩いているメキシコに日本が巻き込まれていないなんて言いきれない・・・。
私自身は幸か不幸か関わっていないけれど知らないところでこういう深淵はリアルにありそう。

そういう思いが段々湧き上がってきてゾゾゾッとしました。

神はなにかを求めているのだろうか?


アステカ神話にでてくる神々は何かを求めているのでしょうか?心臓や生贄を本当に求めているのでしょうか?

征服者(コンキスタドール)が敬っている神は「憐み」を求めています。
人の悲しみや痛みに寄り添う心です。

それを言葉にしています。

でもテスカポリトカは今に残る形で表明しているでしょうか?(私が知らないだけかも)

心臓をささげることはあくまで人間側のエゴでしかなくて神様をうやまっていないのではないか?
そう思ってしまう内容でした。

伝道者


ナイフを作る職人のパウロが好きです。
唯一、表寄りの心情がある気がしました。

そしてコシモを最も「憐れんだ」人でもあると思います。

憐れんだからなのか家族に近い関係だったかもしれません。

ちなみにキリスト教のパウロは異邦人への伝道を「キリストの福音」と表明して伝道していることを記しているそうです。


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